SPAZIO No.70 目次

罪と罰 -フラメンコの深淵 6-
佐藤 花那子(チピオナ在住・フラメンコ舞踏家)

罪と罰 -フラメンコの深淵 6-

サエタ(唄の形式のひとつ)を交えながら綴るアンダルシアの日常。 口ずさむ声が聞こえてくるような穏やかな朝、遠く離れた母国、東北の地で起きた大地震と大津波。 仙台の母と電話が通じないまま、テレビで目撃した大津波の被災状況は、まさに黙示録の一シーンのようだったという筆者の呟きは、そのまま読者の胸をさす。母上のご無事をこそ!

アルバニア美術史紀行
浅野 和生(愛知教育大学教育学部教授)
益田 朋幸(早稲田大学文学学術院教授)

アルバニア美術史紀行-

お二人の共作シリーズ第3弾。ビザンティン時代、重要な地方だったアルバニアへ。 ローマへと通じる街道の終点、アドリア海港ドゥラスの町から始まる、ビザンティン美術史学者の息の合った100キロの旅。率直で貴重な見聞録である。

消えたローマの海港都市2 ~ルーニ~
小川 煕(西洋美術史・イタリア文化史)

消えたローマの海港都市2 ルーニ

ミケランジェロが魅せられた美しい白大理石を敷き詰めた広場。ルーニの人々はなんと豪奢な舗道を日々行き来していたのだろう。 通商の港として栄え、マラリアの発生による人口の減少、やがて歴史から消えた海港都市。

身体をめぐる断章 その17
~心臓という墓~

小池 寿子(国学院大学文学部教授)

~身体をめぐる断章 その17~ 心臓という墓

絵画や彫刻の「身体」の探求は、足、背中、乳房、手、皮膚から内臓へ。 さらに肝臓、体液、子宮、目、そして血液を経て、当号(SPAZIO NO.70)で心臓に到達。 筆者はまだまだこのシリーズを続けるだろうが、編集者も「次は○○にしようと思うけど」という筆者の声を心待ちにしている。

足跡と足裏の図像額
~デューラーの足裏への執着をめぐる一試論~

秋山 聰(東京大学大学院人文社会系研究科教授)

足跡と足裏の図像額  ~デューラーの足裏への執着をめぐる一試論~

デューラーの木版画連作は斬新で実験的な構図を生み出したとされる。 キリストの人性が強調されるようになり、「足跡」こそ神が地上に降りた証しとされ、人々は「足跡」を崇敬するようになり、キリスト昇天の図は聖遺物として人気を集めたという。

木で描かれた透視画
-イタリア・ルネサンスの木象嵌(タルシア)-

上田 恒夫(金沢美術工芸大学教授)
村井 光謹(金沢美術工芸大学名誉教授)

木で描かれた透視画 -イタリア・ルネサンスの木象嵌(タルシア)-

わずか100年という短いタルシア画の歴史。透視画のマエストロと呼ばれたタルシア職人は「木」を知りつくし、その素材の美しさを味わいながら作品を作り上げた。 イタリア各地の名品を美しい写真で紹介。

日本を想う ~東日本大震災に寄せて~
乾 竜三(セドナ在住・小説家)

日本を想う ~東日本大震災に寄せて~

“この石碑より下に家をたてるべからず”。 地震大国ニッポンの歴史を辿ると、東北地方では数十年から百年に一度くらいで、巨大地震が発生することは、つとに警告されていたという。 原子炉の安全性、スマートグリッドの将来性などを説きながら、セドナでくらす日本人の祖国への思いをも伝えている。

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