2020年6月4日、株式会社セミナーインフォが主催する金融分野セミナーにて、株式会社日本経済新聞社と共同でマネーロンダリング対策（AML）関連の講演を行いました。新型コロナウィルスにおける緊急事態宣言解除後ではありましたが、主にオンライン受講で約30名の方にご参加いただきました。
講演内容
[タイトル] FATF第四次相互審査とAML金融犯罪対策規制の今後、求められる実務対応の継続的な高度化
FATF審査団による11年ぶりのオンサイト審査を終え、2020年12月頃に第四次対日相互審査の審査結果が公表される予定ですが、他国の審査結果や海外の規制動向を鑑みると、日本の相互審査においても、さまざまな指摘を受ける事が予想されています。本講演では、FATF第四次相互審査や米OFACを始めとする海外規制動向と課題、予想される法令改正、AML／CFT／金融犯罪対策の実務について整理しつつ、DNFBPsを始めとする特定事業者が、情報システム面からどのように対応を行っていくべきか、具体的な事例やソリューションを交えて解説しました。
デジタル事業 情報サービスユニット
ソリューションマネジャー
紙本 雄輔 氏
金融ソリューション事業本部
AML/GRCソリューション事業部 事業部長
村田 隆洋
初めにFATFの取り組みや相互審査に関する概要、AML規制動向などを日本経済新聞社の紙本様からご説明いただきました。 FATF第四次相互審査については、既に審査結果が公表されている他国の事例を交え日本においても指摘される可能性がある点や、金融庁が公表している金融機関の課題 「リスク評価 ・ 継続的顧客管理 ・ 疑わしい取引の届出」の3つの要素を取りあげ概説されました。また、AML／CFT／金融犯罪対策の実務面に関してAML／CFTライフサイクル、オンボーディングプロセス、継続的顧客管理、リスク評価の流れを説明されました。
続いて、当社の村田よりオンボーディング、継続的顧客管理それぞれの場面で活用するマネーロンダリング対策システムの活用事例を紹介し、新規顧客受入サービス低下の抑制や、顧客取引の継続的管理におけるコンプライアンスと事務効率化についてご説明しました。さらに新たなマネーロンダリング対策として犯収法施行規則を踏まえた非対面取引における本人確認（eKYC）や、ブロックチェーン上における仮想通貨取引のモニタリングなどをご紹介しました。また、リスク評価方法や顧客のリスク格付けに応じた定期的な顧客情報更新が重要である旨を示し、AML／CFT対応高度化に伴うデータ量の増加に対し、いかにデータの正確性や最新化を維持するか、システム運用における課題について留意点を踏まえて解説しました。
最後に、現在両社でAML高度化対応の一環として検討を進めている「AMLシステムと外部情報の連携」について、概要や導入時の効果についてご紹介しました。
講師コメント
[紙本氏]
直近のAML規制動向、AML対応の実務について解説いたしました。特に最近では、リスクベースアプローチの要となる顧客リスク評価について、外部から入手した不芳情報（ネガティブニュース）を活用した、イベント・ドリブンでの評価見直しが求められており、当日はその課題やプラクティスについて解説いたしました。今後も最新のAML規制動向に関する情報発信と共に、NTTデータ ジェトロニクス様のOculusシリーズと、弊社が提供する日経リスク&コンプライアンスの連携を通じて、金融機関のAML高度化対応を支援して参ります。
[村田]
今回は、AML関連企業様にご協力いただき、自社システムの話題に加え新たなAMLシステムの動向についてもご紹介することができました。今後のAML高度化対応は1社だけのソリューションで完結するのではなく、マネーロンダリング対策に有益なあらゆるシステムと連携する、あるいは外部情報を取り込んでいく必要があると考えています。そのため、今後もさまざまなAML関連ベンダー様との連携を検討しています。また、当局が求める対応もますます厳しくなっておりますのでAI等のテクノロジーを活用した業務効率化も進めてまいります。
当社は、今後もお客様と共に課題解決していくために、資料提供、講演、勉強会などを積極的に実施していきます。
－ 今後の予定 －
同講演を今年8月に開催することが決まりました。 詳細は下記のご案内ページをご覧ください。
【開催日時】 2020年8月28日（金） 13:30～16:30
【タイトル】「FATF第四次相互審査とAML金融犯罪対策規制の今後、求められる実務対応の継続的な高度化」
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