2014年9月29日から10月2日に、歴史の深い東海岸ボストンにてSibos 2014が開催されました。
期間中は、当社ブースや当社開催のオープンシアターにお立ち寄りいただき、誠にありがとうございました。
Sibos 2014には、総計7,338名が来場し、EMEAから48%、米州38%、APACからは14%と世界中の金融機関やIT企業が参加しました。日本からの参加者は200名を超え、当社からは19名が参加しました。
業界動向や決済機関等の最新情報を共有する200を超えるセッションが持たれました。今回は、投資マネージャーとSibos大学といったカテゴリーが新設され、活気に満ちた賑わいのある4日間でした。
当社の取り組み
[ブース出展]
当社はNTTデータグループとして共同出展し、ブースはNTT DATA Inc.がスポンサーをしているインディーカーチームの躍動的なイメージを前面に出したデザインを採用しました。
ブースでの大きなイベントとしてHappy Hourを9月30日に開催し、約50名のお客様にご参加していただきました。お飲み物と軽食を楽しみながら、お客様との交流をより深めることができました。
[オープンシアター開催]
Sibos 2013(ドバイ開催)に引き続き、当社は10月1日にオープンシアターを開催しました。今回のプレゼンテーションでは、当社のお客様にもご登壇いただきました。
テーマは、近年の金融機関のサプライチェーンファイナンスビジネスに徐々に影響をもたらしているICC(International Chamber of Commerce)のBPO(Bank Payment Obligation)ルールと、そのルールに対応した貿易関連書類の照合システムであるTSU(Trade Service Utility)の導入事例を紹介する「アジアの新たな貿易決済・貿易金融」。
TSU/BPOの導入・システム拡張の事例として、当社のお客様である株式会社三菱東京UFJ銀行(BTMU)釜井大介様(トランザクションバンキング部、eトレードプロダクトヘッド)にご登壇いただきました。
TSU/BPOは、L/C(Letter of Credit)と比較して業務負荷が小さく、L/Cと同様の支払保証を受けることができ、実業務を実施している銀行や企業は世界的にも徐々に増え始めています。
BTMU様は2003年から継続的にTSUに取り組んでこられ、この分野のフロントランナーとして常に注目されています。
今回はBTMU様におけるTSU/BPO導入の歴史を具体的な3ステップに分けてお話しいただくとともに、各ステップでの当社との関わりやソリューションもご紹介いただきました。
スモールスタートから開始する具体的な導入事例ということで、その手法に対する注目度も高く、立ち見が出るほどの盛況となりました。
SWIFT公式サイトにて、釜井様は以下のようにコメントされていますのでご紹介させていただきます。
“BPO addresses the challenges that we were facing in our trade finance business in the past, it allows us to evolve with the market and provide a new range of solutions to meet the ever-changing needs of our trade customers both on L/C and open account. We are happy to be first on the Asian market with the BPO.”
(出典: http://www.swift.com/assets/corporates/documents/business_areas/trade_bpo_market_adoption.pdf)
NTTデータ ジェトロニクスの活動
[ISO20022]
10年という節目を迎えたISO20022は、マーケットインフラ、コーポレートと銀行間とのメッセージのフォーマットとして定着してきました。Sibosでは、コンセプトレベルでのISO20022のディスカッションから、より具体的な導入方法や移行方法に関する話題がメインのテーマに変わってきています。当社は、Sibosにおいて海外の中央銀行、グローバルバンクとの会議を実施し、ISO20022の動向やその実装に関する議論を行いました。また、その中で、当社の主要ソリューションの一つであるFMB(Financial Message Broker) 7.0を紹介し、ISO20022対応のソリューションとして高い評価を得ることができました。
[CLS(Continuous Linked Settlement)Bank]
2002年より当社はCLSのRegistered Plus Vendorとして、パッケージソリューションであるCLS管理システムを金融機関に提供してきており、Sibos 2014でも最新動向の収集ならびにCLSとのさらなる関係の深化に努めました。当社社員が、CLSの関連セッションに参加しCLS担当者との会議を持ち、現在進行中のCLS Member Gateway Elimination Projectの最新情報を収集するとともに、USドルとカナダドルで開始されたSDS(Same-Day Settlement)対応の今後の対象通貨拡大のロードマップ、CLS決済対象通貨の追加の動向について情報収集を実施しました。
[決済動向]
Sibos 2014では、新たな決済手段として広がりを見せているBitcoinやM-PESA、Apple Pay、PayPalといったノンバンクが決済市場に参入してきていることに対する危機感が共有されていました。また、より便利なサービスを求める顧客側の声を受けて、ACH(Automated Clearing House)の24時間化、リアルタイム化、クロスボーダー接続に関して活発な議論が行われました。当社社員は決済動向に関する10以上のセッションに参加し、国や地域の壁を越えたグローバルな決済スキームについて最新動向を収集しました。
関連情報
Sibos 2015
世界有数の金融イベントSibosは、2015年はシンガポール、2016年はジュネーブで開催が予定されています。